不良狼の一途な溺愛
「そんなに嫉妬する蓮、初めて見た。それだけ、柚ちゃんに本気なんだな。」
「あ、当たり前だろ。柚は…俺の一番大切な女なんだから。」
顔がボボッと熱くなっていく。
心をくすぐるような嬉しさに、胸がときめくのを感じた。
「大切なら、しっかり守れよ?柚ちゃんのこと。」
「分かってる。もう、こんな風に泣かせたりしねぇ…。」
蓮君の親指が私の目元に伸びてきて、溜まっていた涙を優しく拭う。
大きくて温かな指の感触に、心臓がドクン…と勢いよく波打った。
「…柚、そろそろ帰ろうか。ずっと、ここに居ても仕方ねぇし。」
「う、うん。」
コクンと頷いた。
「そうだな。蓮は謹慎中の身なんだし、あとは俺に任せて、柚ちゃんと一緒に早く家に帰った方がいい。」
「えっ、お兄さんは帰らないんですか!?」
「うん。俺は…今日の一件をコイツらが他言しないようにしておこうと思ってさ。あと、二度と柚ちゃんに近づかないようにキツく警告しておくよ。」
「…じゃあ、頼む。」
蓮君は、お兄さんにサラリと言葉を返すと、私の手を引いて歩き出した。