不良狼の一途な溺愛

「ひょっとして、この棟に入るの…?」


「ああ。」


紫堂君からは、当たり前だ…と言わんばかりの表情で即答されてしまった。


「だ、ダメだよっ!立入禁止って書いてあるのに!!」


さすがに私も黙っていられない。


貼り紙を指差しながら主張をした。


「そんな貼り紙、どうってことねぇよ。毎日のように、ここに入ってるし。」


「えぇっ!?」


サラリとスゴい発言をする紫堂君に、私は瞬きを繰り返した。


私だったら、この貼り紙を見れば絶対に入ったりしないのに…。


堂々と入っているなんて、さすが不良…。


冷ややかに関心していると、紫堂君は少し錆びた扉を開けて中に入った。



< 39 / 364 >

この作品をシェア

pagetop