これを運命とするならば
「………なぁ」
声をかけられ、私は正臣さんに視線をやる。
するとそこにはクツリと笑う正臣さんがいて。
「ここでしようか」
「―――――はい?」
「我慢してたのにうっかり煽られちゃったわけだし、今日はそこまで仕事がつまってないし。…いいだろ?」
そう言って眼帯を外す姿は、さながら肉食獣。
私が首を横に振っているにも関わらず、貪るように唇を奪ってくるのだった。
―――これが運命だとするならば、甘んじて受け入れましょう。
…なんて思えない私は、なんとか振り切ろうともがくのみだった。
【Fin.】
