これを運命とするならば





「―――――椿は私のものだ」


そう告げてつかつかと私のほうにやってくると、正臣さんは私の顎を掴む。
そして、狭川さんの目の前でキスをした。


…あぁぁぁぁ!!
な、人前でなんてことするの!?


私一人がパニクっていると、クククとこらえている声が聞こえた。



「三柴、変わったなぁ。そーんなに椿ちゃんが好きなのかぁ」


「悪いか」


「いーや。お幸せに」


狭川さんはそう言うと満足げに部屋をあとにし、無表情な正臣さんと顔を赤くした私だけが残された。





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