これを運命とするならば
私がそう答えた瞬間、三柴さんはふらつきながら私との距離をまっすぐに縮めた。
私が咄嗟に近くのチェストに空の器を置くのと同時に、強い力で私を引き寄せて。
荒い吐息にのせて、三柴さんは話し出した。
「―――そんな簡単に私を受け入れるな!…愛し方がわからないんだ。…初めてなんだ。………こんな私の、力加減のわからないこんな欲で、椿を苦しめたく、ない…」
逃げろと、離れろと言いながら決して緩めない腕の力。
さっきまでふらふらで、今だって本調子なんかじゃない三柴さんのどこにこんな力が残ってたの?
―――そんなに苦しまないでよ。
私がそばにいて楽になるなら、そばにいるから。ねぇ?