君のための嘘
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「さ、ティアラをつけたら出来上がり、ロンググローブも良く似合っているわ」


リリは満足げに夏帆を見るとにっこり笑う。


まだ鏡を見せてもらえていない夏帆の心臓はドキドキと暴れはじめていた。


「本当に似合っていますか……?」


「あたしの言葉に間違いはなくてよ? ラルフたんの支度は終わっているかしら」


ああ……そうだ、ラルフもタキシードかスーツに着替えているんだ……。


「鏡を見ても良いわよ」


リリは鏡をかぶせていた布を取り去る。


夏帆は鏡に映る自分に目を疑った。


「これが……わ……たし……?」


「当たり前じゃないのよ あたしの隣にいるのが原石でしょ?驚いたでしょう?」


夏帆は頷くのが精一杯だ。


変わりように驚くばかり。


洗練された女性が鏡の中にいた。


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