君のための嘘

キス

「可愛い写真だね、夏帆ちゃんの初々しさが良く出ている」


「こ、これっ、どこに置けばっ?」


ラルフに聞く夏帆の声が上ずっている。


「テレビの横の棚に置こうか」


夏帆は言われた通りに、100インチはありそうなテレビの横の棚に3つある写真たてを並べた。


「ラルフ、ウェディング写真だけだと美由紀さんは不思議に思わないかな?」


「大丈夫だよ 引っ越ししたばかりだという事は知っているから 彼女もここには来た事ないんだ」


そうなんだ……美由紀さんはここへは一度も……。


それを聞いて夏帆は嬉しくなった。


「だいたい新婚さんの部屋らしくなって来たかな?」


「……だと思います」



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