君のための嘘
この顔……?


夏帆は急いでバスルームに向かって鏡で自分の顔を見た。


「うわぁ……顔が真っ赤……」


熱い両頬に手の甲で触れて、赤らめた頬を静めようとした。


「夏帆ちゃん?来たよ」


バスルームの向こうでラルフの声がした。


「あ、はいっ!」


大きく深呼吸をすると、夏帆はバスルームを出た。


******


ラルフの隣に座って夏帆は美由紀を見ていた。


ラルフと美由紀さんの旦那様は話が弾んでいる。


しだいにこの家族を壊してしまうかもしれない原因……ラルフなのか、美由紀さんなのか、夏帆は怒りを感じてきていた。


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