君のための嘘
「まさか、早坂家が貴方にコンタクトを?」


早坂家はラルフの亡くなった実の父の苗字だ。


早坂家の次男とイギリス人の母親の間に生まれた子供なのだ。


「いいえ、そうではありません」


実の父はラルフが5歳の時に病死した。


亡くなった実父には4人の兄妹がいる。


跡取りがたくさんいる早坂家が今更ラルフにコンタクトを取る必要はなかった。


母は2年後に霧生家のひとり息子 健次と再婚し、ラルフは霧生家の養子になった。


一度も結婚した事のない健次だが、子供が好きでラルフを本当の息子のように育てた。


ラルフも本当の父親のように健次を慕うのに時間はかからなかった。



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