君のための嘘
「この縁談、気に入ってくれたのね?」


「ええ。付き合ってみますよ。キレイな方だ」


「貴仁さん! 嬉しいわ」


祖母はラルフに抱きつきそうな勢いで喜んでいる。


「おばあ様、僕の名前はラルフです。貴仁の名は嫌いなんです」


「ラルフの方が良いのならそう呼びましょう。でも、今まで貴仁だったでしょう? いったいどうしたのです?」


「貴仁の名はなんとなく堅苦しくて、ラルフの方がしっくり合うんです」


ラルフは霧生家とは血が繋がっていなかった。


大事に育ててくれた祖父母には恩がある。


血は繋がっていないが、祖父母は実の孫のように可愛がってくれた。


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