君のための嘘
「おばあ様!夏帆ちゃん!」


ダークグレーのスーツのスーツ姿のラルフが入って来た。


紫のネクタイは今朝、夏帆が選んだものだ。


二人が一緒に居るのを驚いて見ている。


「ここへ来る途中で夏帆さんにお会いしたのよ それよりなんですか、貴仁さん、こんなみすぼらしい指輪を贈るなんて」


「これは私が選んで――」


自分が選んだのだと言おうとした夏帆の言葉をラルフが遮る。


「おばあ様のだめ押しは聞きなれていますよ」


サラッと受け流すところは、さすが免疫が出来ていると言った所だろう。


ラルフは2人が一緒だと聞き、夏帆が心配になって急いできたのだ。


しかし、懸念していた険悪なムードはなく、夏帆が祖母に妥協しているのが分かった。



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