君のための嘘
「夏帆ちゃん、素敵なスーツだ 良く似合っているけれど、出来ることなら僕がプレゼントしたかったな」


にっこり笑みを浮かべて言われると、夏帆の頬は熱を帯びてくるのを止められない。


「わたくしは北村副社長に話がありますから、夏帆さんは貴仁さんの所で待っていなさい」


「行こう、夏帆ちゃん おばあ様、そのままお帰りになっても結構ですから 連れてきてくださって、ありがとうございます」


やんわりと言うラルフに祖母は笑みを漏らした。


ラルフは夏帆の腰に腕を回すとドアに向かった。


******


執務室に入ると、部屋の前で一度離されたラルフの腕が夏帆の背に回りグッと引き寄せられる。


「努力してくれているんだね?ありがとう」


額に落とされる柔らかいキスに夏帆はくすぐったそうに微笑む。



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