君のための嘘

過去の愛

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そんな出来事からラルフは良く考え込むようになった。


もちろん、夏帆が傍に居ない時だが。


たまたまぼんやりしている所を見られると、夏帆は心配そうな表情を浮かべる。




数日後、朝食を食べていたラルフは「今日は病院へ行く」と夏帆に告げた。


「じゃあ、私も――」
「いや、ひとりで大丈夫だよ 病院では長くかかるし、ここにいて欲しい」


「……うん わかった」


夏帆はラルフの意見を尊重して頷いた。


彼が大丈夫だと言うのなら、大丈夫。信用してる。



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