君のための嘘

ふたりの未来は……

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出発は明日……しばらくの間、会えない。


そう思うと、夏帆の胸は押しつぶされそうなほどの勢いで苦しかった。


ベッドの中で寄り添い、言葉もなく見つめ合うふたり。


ダウンライトの柔らかなオレンジ色の灯りに照らされ、静まり返った空間に、ふたりの心臓の音が聞こえてきそうだ。


そんな雰囲気を破り、ラルフは口を開いた。


「夏帆ちゃん、お腹に触ってもいい?」


「……うん」


横たわったまま、ラルフの掌が夏帆の下腹部に触れる。


その触れ方は神聖なものでも触るみたいに、こわごわとしたものだった。



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