君のための嘘
「大丈夫です」


「そう、なら良かった 着替えたら食事に行こう」


夏帆の部屋とは反対側のドアにラルフは消えた。



******



スーツからネイビーブルーのニットとジーンズに着替えたラルフは黒のショートコートを手にして寝室から出て来た。


しつこい様だけれど、本当に雑誌から抜け出した様姿。


「夏帆さん これを……」


そう言って夏帆が渡されたのは、少し大きめの紙袋。


「これは……?」


「ロスから来たのでは、コートは持っていないと考えて、買って来たんです」


「あ……」


ラルフの読みは当たっていた。


日本がこんなに寒いと思っていなかったし、ロスでは必要なかったので、コート類は持っていない。



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