君のための嘘
「すみません……」


「そんな言葉を聞きたくて買って来たのではありません 着てくれれば買ったかいがあります」


ラルフに促されて、テープで留められていた紙袋を開けた。


中に入っていたのは上質なウール素材のクリーム色のコートだった。ウェストの切り替え部分にリボンを結ぶようになっていて可愛らしいデザインだ。


自分に似合うか自信はないと、夏帆はそれを手にして考えた。


「良く似合うと思いますよ 貴方を思い浮かべて買ったのですから」


ラルフに勇気づけられて膝丈より少し長いコートを着てみた。


「ありがとうございます」


お礼を言った時、紙袋にまだ何か入っているのに気付く。


メガネケースのようだ。


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