君のための嘘
「リリさん」


リリさん……?


女の人の名前だけど、どう見ても男性にしか見えない。


「ケーキ、嫌いなのにどうしているのよっ」


ラルフの腕に腕を絡めたリリに夏帆の目が丸くなる。


ぇ……?え……?


ケーキ嫌いって、さっきチョコレートケーキ食べていたのに……。


「ラルフさん、ケーキ嫌いなんですか?」


「そうよ!ラルフたんは甘いものが苦手なのっ!」


ラルフの代わりに、リリが自慢げに言う。


「リリさん!」


ラルフはしまったというような顔になった。


「この子、どっから連れて来たのよ ラルフたん」


カラーレンズなのだろうか、大きなグレーの瞳で睨まれて夏帆は一歩後ずさりする。


< 70 / 521 >

この作品をシェア

pagetop