君のための嘘
長いショーケースの中のケーキはまるで宝石のようだった。


艶やかな赤いドームのようなケーキや、黄色い花のようなケーキ。


先ほど食べたケーキも配置よく置かれていた。


それらを見ていた夏帆の視線が一つの所に止まる。


夏帆はケーキの値段にびっくりしていた。


ケーキが一個……2000円? 0が一つ多くない?


こんな高いケーキを数口で食べちゃっていたの?


「どのケーキが良いですか?あぁ それとも全種類にしましょうか?」


「えっ!?い、いらないですっ!今、お腹いっぱいで帰ってもケーキ食べられないです」


全種類……20種類はあるから、それ×2000円……40000円っ!?信じられないっ!


夏帆が青ざめた時、ラルフを呼ぶハスキーな男性の声がした。


しかし、男性なの?と思うほどの口調に驚いて、振り返る。


「ちょっとぉ!ラルフたんっ!なんで、女なんて連れているのよっ!」


後ろにいたのはシルバーのロングニットとラメの入った紫色のパンツ姿の派手な姿の男性だった。だけど、言葉と仕草が妙に女性っぽい。


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