君のための嘘
「もう少し考えた方がいい 後悔しない様にね また夏帆ちゃんの可愛い頭を悩ませてしまったようだ」


か、可愛い頭……。フェミニストで口が上手いラルフに、ほとんど男性と話をした事がない夏帆の顔が赤くなった。


「これ以上、君を戸惑わせない為にも、もう眠ろう」


ラルフは立ち上がり、夏帆もそれに習って立ち上がった。


「何も考えないでゆっくり休むんだよ」


髪に優しくふんわり触られて、軽く肩を押される。


「……はい」


夏帆は部屋に向かった。が、その足が止まる。


そして振り向くと、ラルフはまだ夏帆を見ていた。


「どうした?」


「あ、あのっ、」


「うん?」


「本当に感謝しているんです いろいろありがとうございます」


深く頭を下げた夏帆はくるっと向き直り部屋のドアへ入った。


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