君のための嘘
掃除をすませ、と言っても大人ふたりの生活なので汚れることなくすぐに終わってしまう。


早めのお昼を朝と同じトーストで済ませ、出掛けてみることにした。


******


この道は昨日歩いた……。


少し歩くと、昨日のレストランがあった。


夜と昼間では雰囲気が変わっているけれど、高級そうなのは変わらない。その隣にあのバカ高いパティスリーもあった。


まるでパリの街角にありそうなパティスリーを見て、ラルフを思い出す。


ラルフは優しすぎる。


雰囲気を壊さない為に、一緒になってケーキを食べてくれるなんて……。


男性と付き合ったことがないけれど、こんな気遣いをしてくれる人にあったことなかった。


アメリカの女友達でさえ、自分の食べ物の主張をして、みんなで食事をする時、困ったものだ。


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