君のための嘘
日本の男性は優しいの……？霧生　貴仁さんもラルフのようだったら、良いのに……。


夏帆は強くラルフに惹かれているのを感じていた。でも、それは男性に免疫がないから惹かれると思う。


ぶらぶらと歩いていると、スーパーマーケットを見つけた。


夏帆は中へ入り、スーパーのグレーのカゴを持った。


いろいろな食品を見るのは楽しいが、カゴの中はいっこうに物が入らない。


ラルフの好きな物がわからないし、前日に渡されたお金を使うのは無駄遣いをしているような気持ちになって、買う事ができない。


夏帆はとうとう、使われなかったカゴを元の場所に戻してスーパーマーケットの出口に向かった。


その時、店の掲示板に張られた求人募集の紙が目に入り足を止める。


仕事をしなければ。そう思った時だった。


品出し、レジ、惣菜作り、などの募集があった。



< 89 / 521 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop