【十の瞳】
――十二愛は、コロからもたらされる情報に限界と疑問を感じ、とうとう自ら動いたのだった。
「まずはじめに、……今回の事件に関して、私はあまり情報を持っていない。
だから、今から言うことの大部分は、想像で組み立てた推論にすぎないことを、言っておく」
十二愛は、低い声で、淡々と語り始めた。
それは、先ほどまでの、泣きそうな女の子の姿などではなかった。
誰もが初めて見る、『名探偵』としての、毅然とした態度だった。
「私は、ずっと不思議に思ってた。
なぜマスターが、私たちの前に姿を現さないのか。
なぜ挨拶が、予め録画した映像を流すだけだったのか。
こんなの、あまりにも不自然だし、無駄な手間ばかりかかってる」