【十の瞳】



「人嫌いだったから、じゃねえのか?」
 

ファニーペインが口をはさむ。


「いいえ。彼はこの屋敷で、私たちと会うための準備はしていたはずだった。


だって、クローゼットには、貴族の衣装が用意されていたのだから」
 

それもそうか……と一同が頷く。


「コロ……あなたは、平三郎さんを殺した」
 

コロが頷く。


「そして、この屋敷にいたはずのマスターが、同時に姿を消した」


「同時かどうかは……」
 

ファニーペインの呟きを無視して、十二愛は言った。


「平三郎さんの正体は、マスターだった」
 

コロが、床に視線を落とした。


「その通りだよ。……僕は、マスターを殺してしまったんだ」


「ちょっ……待てよ! なんで……」
 

ファニーペインの大声が、静まり返った応接室に反響する。


「おい、コロ……ウソだろ……?」


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