【十の瞳】
館内をいくら探しても、マスターはどこにもいなかった。
ちなみにマスターの捜索の途中、平三郎にあてがわれた部屋に行ったメンバーは、
彼の残りの『パーツ』――両手、両脚が、無造作に転がっているのを発見する羽目になった。
ただし首だけは、見付からなかったという……。
まず、「鬼姫の祟りだ」と、グースが騒いだ。
それを、えどがぁさんが「祟りで人は死なないよ」と諌めた。
「これは、立派な殺人事件だ……」
「で、で、でもですねぇ?
塚が壊れてると言われたのは、えどがぁ氏じゃないですか!」
パニックを起こし、大きな体を揺らしてぶるんぶるん暴れるグースをよそに、
空気を読まない蝶子が、「祟りってなぁに?」と言った。
「あ、そっか……蝶子さんは、昨日の夜、この話聞かなかったんですよね」
「俺も知らねえよ」
ファニーペインが言った。
「……てか、俺、昨日の夜の事、何も覚えてねーんだけど……」
確かに結構早い段階から、彼は酔い潰れていたな、と思い出す。