【十の瞳】
 


やがて、


「ここか……」
 

ファニーペインの足が止まる。
 

朽ちかけたアスファルトは、途切れていた。


顔を上げると、道であるべき場所に土や樹木が混ぜこぜになった壁があった。


二、三メートルはあるだろうか。


あまりの高さに、向こう側はまるで見えない。


土砂を正面に置くと、左方に今にも崩れ出しそうな山肌、そして右方は谷だった。


思ったよりも道幅は狭い。


車一台が通るのがやっとかもしれない。
 

とにかく、僕等が自力で脱出するのは不可能だろう事は、よく分かった。
 


しかし、ファニーペインは引っ込みがつかなくなったのか、とんでもない事を言い始めた。


「この土砂の上、歩いてけるんじゃね……?」


「は?」
 

彼は、真剣な顔で土砂を指差している。


彼は、突き出した木の根や石を足がかりにするジェスチャーをした。


もはや、愚かとしか言いようがない。



「無理に決まってるでしょう、ファニーさん!」


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