【十の瞳】
「ファニー様、戻りましょう!」
「――殺人鬼がいる屋敷にかよ!
次に誰が狙われるか分からねえのに……!」
「だけど!
ここだって、いつまた崩壊するか分からないんだぞ!」
僕と藤浦さん、そしてえどがぁさんで、ファニーペインを説得する。
しかし、なかなか言う事を聞かない。
苛立った僕は、彼の頬を思い切り叩いた。
彼は驚きに目を見開き、
「何す……っ」
抵抗の言葉を遮るように、もう一発お見舞いする。
「――ここは危険です。
馬鹿な事はやめて下さい」
あくまで静かに、説き伏せるように言った。
すると正気に戻ったのか、彼は肩を落として、
「……悪かった」
小さな声で、謝った。