【十の瞳】



もしかしたら彼は、グースみたいな人種が嫌いなのかもしれない。


「でも、その挙句に高校中退して……ま、授業なんてつまんねーし、


ほとんど行っても意味なかったんだけどさ、さすがにお袋に泣かれたね、あん時は……」
 

内容の割に、あまり反省していないように軽く語る。
 

しかし、急に声色が暗鬱なものに変わる。


「ただ、それからすぐに事故っちまってさ……」
 

その事故で、友人を亡くしたという。


「小学校の頃からずっと、一緒に悪さして、誰よりも気が合う奴だったけど……


俺もあいつも、曲がって来たダンプに、バイクで突っ込んじまったんだ。


まさかあそこで曲がるなんて思っちゃいなかったから、……スピードだって落とさなかった。


ドッカーンと吹っ飛ばされて……気が付いたら、俺は地面に傷だらけで寝てた。


そしたら、目の前に、死んだあいつがいたんだ」



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