リアル
隆に夕飯を作りたいが買い物に行く余裕がない。
そうメールには書いてあった。
生野が隆に夕飯を作ってあげているというのは初耳だった。
だが、そうでもしないと隆はまともな食事などしていなそうなのも事実だ。
そして、メールには買って欲しいものが沢山並べられていたのだ。
手に提げた荷物は限界までに重い。
パートの時間までにはまだ余裕がある。
薫はその店に入ることを決めた。
理由はその看板だった。
マグカップに擦り寄る白い仔猫。
以前、美咲が見せてくれた写真にあった看板なのだ。
あれは、美咲が殺される三日前のことだった。
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