∮ファースト・ラブ∮
「できないよ。
だって……拒絶されちゃったんだよ?
あたしは……もう……」
泡になって消えるしかないんだ。
あいちゃんから視線をはずして地面を見つめた。
そしたら、あいちゃんはブランコから飛び降りて、うつむくあたしの前に立った。
だけど、あいちゃんの顔は眩しすぎて、見つめることさえできない。
そのまま、太陽が照らしたあいちゃんの影を見つめる。
「こら!!
1年5組 華原 手鞠(かはら てまり)!!
怖気づくな!!
あんたの取り得は、一にも二にも、単純明快、明るいことでしょう?
メソメソするなんて、あんたらしくないよ?
あんたはさ……自分が思っている以上に強いんだよ?
人の心を思いやれる優しさを……ハートを持っているでしょ?
だったら……諦めないで、せめて自分が思うように、最後まで想い続けなさいよ!!
あんたは、どうせ不器用なんだから、他の人を好きになるなんて器用なことできないでしょうが!!
だったら……だったら……最後の最後まで、自分の思いを貫けばいいじゃん!!
ね?
大丈夫……あんたの想い……きっと……繋がるから……伝わるからさ……」
ずっと…………想いつづける…………?
あたしの心のままに…………?