∮ファースト・ラブ∮
次の日から、あたしはやれ授業の合間にだとか、やれ休憩時間だとか、何かにつけて先輩のとこに足しげく通った。
だから当然、あたしと先輩のことは学校中のうわさになる。
先輩が二股とか三股かけてる彼女さんたちは、あたしのことをよく思っていないことは知ってる。
だって、あたしが先輩にいちいち会いに行ったら、先輩とイチャつくどころじゃないもんね。
でもでも、先輩はあたしが休憩ごとに遊びに行っても別になんとも思ってないみたい。
にっこり笑って3年生の教室に手招きしてくれるの。
友達のあいちゃんは、そのことを良く思ってないみたい。
時間を見つけては遊びに行くあたしの行為を眉間にしわ寄せて見てくる。
あいちゃんが非難の目を向けてくれることは嬉しい。
だって、あたしを案じてくれているから。
でも、この行動は止められない。
なんたって一ヶ月しか、先輩の隣にはいられないから。