初デートは二人きりで?
「…?ならいいんですけど…」


雪乃ちゃんは少し納得のいかなさそうな表情をしつつも、進んだ列に前へと歩く。



ねぇ、雪乃ちゃん。


俺がこんなことで嫉妬するなんて知ったら…

雪乃ちゃんはどう思うのかな?


重いって呆れる?

それとも

こんなこと気にしなかったりする?



隣へ視線を落とすと、雪乃ちゃんはキョロキョロと周りを見渡していて。


ゆるく巻かれた髪が風に揺られてふわふわと動く。



…遊園地に来たのがそんなに楽しいのかな?



「…雪乃ちゃん、可愛い」


「えっ!いや…な、なに言って……」



俺が“可愛い”って言えば、焦って顔が赤くなる雪乃ちゃん。



願わくば、雪乃ちゃんも…


ちょっとでもヤキモチ焼いたりしてくれたらいいな。



そう思いながら、俺は握る手に少し力を込めた。





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