初デートは二人きりで?
「………」


「これ、俺の宝物にしよー」



先輩はむくれる私から写真を取り返すと自分の鞄へとしまう。



「ちょっ…宝物なんて……ダメですって…!」



あんなのずっと持ったままでいられるなんて、恥ずかしすぎる…!


思わず先輩の手を掴んだものの、鞄は遠ざけられてしまって。


先輩はにっこりと微笑むと、ぐっと顔を近づけてきた。



「ダーメ。返してほしかったら…キスしてくれる?」


「なっ……、先輩の変態…っ」


「わーっ、今、グサッてきたよ?」



おどけながらそう言うと、先輩は私の手を離し、すっと立ち上がる。



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