初デートは二人きりで?
「…雪乃ちゃん、固まっちゃって…。可愛い」


「なっ……んん…」



先輩は唇を離してそう言うと、再び私の口を塞いだ。


さっきよりもさらに甘くてとろけるようなキスに、

段々と体の力が抜けていく。




静かな観覧車の中。


口から漏れる自分のものとは思えないような声と

何度も繰り返されるキスの小さなリップ音が、やけに大きく響いた。



「…っ、ん……は、ぁ…」



もう、恥ずかしいとか関係なくて。


そんなことがどうでもよくなるくらい…先輩のキスは甘くて。


まるで酔っているかのように、トロンと溶けてしまった私の思考。



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