シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「私が本気を出せば――…」
ふっと緋狭さんの姿が消えたかと思うと、
「う!!!?」
僕と櫂は共に地面に頭を打ち付けられていた。
緋狭さんの、手足によって。
「お前達など赤子同然」
額の砂利が、現実を思い知らせた。
攻撃すら捉えられない、これが五皇。
だけど――
そんなことは、百も承知だっただろう?
もがけ。
最後まで諦めるな!!!
起き上がろうとする僕達を、その背中を…今度は手足を打ち付けて、緋狭さんは制する。
動きの中心たる脊髄を踏まれた僕。
もう少し――
なんだ。
港はもう少しなんだ。
もう少しなんだよ!!!!
視界の中に、見えているんだよ!!!
氷皇が立っているじゃないか!!!
久涅が立っているじゃないか!!!
煌が――
僕の代わりに"エディター"を安心させたんだ!!!
桜が――
身を挺して僕達を進ませたんだ!!!
僕は――
櫂は――
諦めるわけにはいかないんだ!!!