シンデレラに玻璃の星冠をⅠ


「ははははは。あんなに頑なに俺の元に来るのを拒んでいたお前が、あいつがいなくなった途端…俺に屈服するというのか!!!」



あいつ?



「どうします? 親父殿。玲の力は…必要です」



黒い男が、初老の男性に聞いている。



「――玲。


次期当主として――

お前は…櫂程の力量はないわ」




櫂? 


それは誰?




「しかし…

影のお前が、そこまで太陽の下に出たいというのなら。


貪欲とは無縁だったお前がそこまでいうのなら、



――面白い。



くれてやろう」



くつくつ、くつくつ。




「お前には王冠(クラウン)をやる価値もない。


身の程知らずにも"成り上がり"を望むお前には――




安っぽい星冠(ティアラ)で十分だ」




そして、言ったんだ。


笑いながら。



それはまるで狂ったように。

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