シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
「汽笛が鳴り終わる前に、ゲームの当事者は棄権した。
これは負けではない。
無効だ」
玲くん…
何を言っているんだろう?
「お前が肩書きに執着がないのなら。
――僕が貰う」
それは凛とした声で。
海を背中にして、毅然とした面持ちで。
「代わりに、僕の…力を全てやろう。
肩書きを貰う代わりに、
僕は――…」
そして玲くんは、1人の男の元に歩んだ。
漆黒の髪。
切れ長の目。
心臓が、変な音を立てた。
何かが…あたしの中の何かを刺激したけれど、形にならなかった。
初めて見る、男だ。
その男に…
玲くんは――
「僕は――
貴方に傅(かしず)こう」
その足下に跪(ひざまず)いたんだ。