シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

胸が苦しい。



昔から緋狭さんは、俺を見捨てずにいてくれたから。


緋狭さんは片手を切り落としてでも、俺を助けてくれたから。


――坊。そんなに妹が好きか。


俺はいつだって――


緋狭さんに、絶対的な信頼を寄せていた。



何故――?



心に、ぽっかりと穴が開いたようだ。


――久涅様以外、認めません。




どうして――?




ショックに感じているのは、俺だけではない。


攻撃を向けられた煌だって…相当のはずだ。


元№2たる制裁者(アリス)を救ったのは、紅皇なのだから。


俺より多く、緋狭さんとの思い出があるはずで。


煌が無理している時は、必要以上に煌は陽気になる。


だけど今回。


そう出来ない程、煌の顔は陰鬱だ。


煌に、こんな顔をさせたくない。
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