シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

そして第二発目。


「玲くん、やめてやめて!!!」

「師匠、やめるんだ!!!」


芹霞と遠坂が、玲の腕と足にしがみついた。


「うるさいッッッ!!!」


しかし玲は、それを弾き飛ばす。


体術の心得がない2人は直ぐさま吹き飛ばされて。


「違うよ、やっぱり師匠じゃないよ。師匠は…神崎をこんな目に遭わせたりしない!!!」


遠坂が泣きながら叫んだ。


「本物の師匠を返せよ!!! 師匠を穢すなよ、この野郎!!!」


「由香ちゃん、危ないッッ!!!」


冷淡な顔をした玲が青光を放った時、それを庇うように…芹霞が遠坂ごと、滑り込んで攻撃を免れた。


「玲!!! あいつらは関係ないだろう!!?」


「煩いんだよ、どいつもこいつも!!! "僕"を抑えつけて、"僕"を否定し続けてッッ!!!」


玲が…青白い炎に包まれているような、錯覚を起こした。


「あああああああ!!!」


仰け反るようにして玲は叫ぶ。


「何であんな腰抜けを本物だなんて言うんだよ、いつもびくびくびくびく、"僕"が顔を覘かせる度に震え上がるあいつがッッッ!!!」


それは――

俺らの知る玲のことだろうか。


だとしたら、これは玲の――影(シャドウ)?



その時――


「玲くんを…あたし達が大好きな玲くんを、"腰抜け"なんて言うな!!!」


芹霞が…玲の胸に思い切り頭突きをした。


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