シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

「よ、読み取れよ、俺の心を!!!」


嫌だけれど…他人に語るよりはマシだ。


『玲にも言ったが…出来ないんだ、あたし。言葉に…出してくれないと…判らない。うん。力不足だ…』


"うん"って何だよ!!?



その時――だ。



上腕がズキンと痛んだのは。




「うっ!!?」



慣れた痛み。


この世界に入って消えた痛みが…何でだ?


身体が…異常事態?


約束…破ったのか、"アイツ"!!!


小猿と離れてから、あの吐き気はまだないだけに…そこまで深刻ではないはずだけれど…時間の問題かもしれねえな。


早く帰らねばやばいんじゃないだろうか。


それは本能的な警告。


『煌…やはりお前…』


「……七瀬、俺…だけじゃねえんだよ、だから…平気だ」


ずきずきする腕を庇い、俺は笑う。


あれから――


何時間…経った?



桜。


「判ったよ、言葉で言うから…早く始めてくれ」



桜。



櫂達が行き着くまで――


お前も耐えてくれ。
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