覆される都市伝説
そしてテーブルに置き散らかしている書類の一枚を手に取り、読む。

書類の内容はコウガが独自に調べ上げた、ナナオの都市伝説の『真実』だった。

「…ナナオは本当に何も知らなかったのか?」

「みたいだな。最後まで、自分の意思だと思わされたみたいだ」

「でもマカは何も言わなかったんだろう? 何で?」

アイスココアを作ったハズミが、マカにコップを渡しながら尋ねる。

「まだ時期ではないからさ。こちらの準備は整っていない」

「そりゃあそうだろうけどさ。きっとナナオ、マカには引き止めてほしかったと思うぜ?」

「だがそういうことをしないとも、ナナオは分かっていたはずだ。ハズミ、お前と同じくな」

「おやまあ」

ハズミは肩を竦め、マミヤの向かい側のソファーに座る。

「んで、オレ達を呼び出した理由って何?」

「ナナオの件、だろう?」

「理解が早くて助かる。お前達にはセツカが再び道を作ったのならば、そこへ行って来て欲しい」
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