覆される都市伝説

ナナオの居場所

けれど暗い気持ちになっているヒマもなく、マカは活き活きとなっていく。

 
持ち帰れる物は袋に次々と入れていき、その場で食べなければならない物は食べていった。

それは例えばチョコバナナやクレープ、カキ氷にリンゴ飴など、甘い物ばかり。

「マカぁ、口の中が甘いよぉ」

「しょっぱいものは家に帰ってからな。ほれ、後もう少しで買い物は終わる」

マカは本当に片っ端から買っていく。

全種類を制覇するのが、いつものお祭りの参加の仕方らしい。

…いつもは誰が彼女に付き合っているんだろう?

と言うか、さっきのマカの豹変ぶりを見ると、普通の人間の前では大人しくしているのかもしれない。

大きいと思っていたナイロンの袋は、あっと言う間に満杯になった。

空いている手もわたあめの袋や水風船を持っているし、帰りはヨロヨロしていた。

< 95 / 161 >

この作品をシェア

pagetop