覆される都市伝説
「お帰りなさい。また今年も買いましたねぇ」

「今年の味はまあまあだな。B級だから、腹がふくらめば良いか」

ソウマに荷物をあずけ、肩を鳴らしながらマカは庭に出た。

「ああ、ナナオさんの荷物も下ろして良いですよ。今から私が持っていきますから」

「はっはい…」

わたしはフラフラしながらマカの後を追った。

庭は洗濯物を干す台の他、イスとテーブルのセットもある。

芝生や鉢植えもあるけれど、…池や木まであるのは何故?

「ここって最上階なのよね? だからこんなのまであるの?」

「いや? 全フロアには同じ物がある。ちなみにこのマンションはフロアに一室ずつ貸し出してはいない。フロア一つを一室として、貸し出しているんだ」

つまり、部屋ではなくフロアカウント?

…お金持ちって…。
< 96 / 161 >

この作品をシェア

pagetop