先輩のボタン【卒業記念ショートストーリー】


先輩は最後まで先輩らしい。


卒業式も赤いパーカーを着ている。


赤いパーカーは先輩のトレードマーク。



いつもと違うのは、学ランのボタンを留めていること。


先生に注意されて、面倒臭そうにボタンを留める先輩。



第2ボタンまで留めて、ポケットに手を入れて歩くんだ。






ね、先輩。


そのボタンは誰にあげるんですか?





彼女ですか?




先輩、その第2ボタン…

私にくれませんか?






一生の思い出に私にください。




先輩を好きになったことを

一生私の宝物にしたいから。






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