先輩のボタン【卒業記念ショートストーリー】



お似合いすぎて、

泣くこともできなかった。




初めて見た先輩の表情。


少し照れた顔をして、手を繋いでいた。




学ランを腰に巻いて、手には彼女からもらったであろうピンクの紙袋。


自転車置き場は、風が吹き付けてとても寒かった。




先輩は遠い人。


追いかけることもできないくらい遠い人。












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