LIMIT COMPLEX
あのままだとあまりに一点を見続けて歌うヨッシーを不審に思ったファン達がお姉さんを見つけてしまうかもしれなかったし。

ああしておけば、知り合いなんだと認識してもらえる。


「何とか見えます。」


「最前列行く?最前列のチケット全部俺達が持ってるからあそこ、ガラ空きじゃん。」


ナツキは、誰もいない最前列を指差し、

また気安くお姉さんの腕を取った。


「あ、あの、ホントに、ここでだいじょ……」と、ナツキに引っ張られて後ずさりしようとしたお姉さんは、そのまま後ろにいた店長さんの足を踏んづけ、バランスを崩して店長さん側に倒れこんだ。

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