好きって言って!(短編)
「何だよ。
毎回頑張ってもヘタクソ呼ばわりされるから、結構傷付いたんだぞ、俺…」

ふて腐れたように口を尖らせる淳也がかわいくて。

「ねぇ、淳也。
もう一回、好きって言って」

思わずそう言っていた。

さっきは頭が混乱していて、せっかく淳也が告白してくれたのに、余韻に浸れなかったんだもん。

「そんなこっぱずかしいこと、何度も言えるかよ」

淳也は赤い顔で首を振る。

「そんなこと言わないで。
もう一回言って!」

「…仕方ねーな」

引き下がらない私に降参したのか、淳也は私の体をふわっと抱き上げると、そのままベッドに横たえる。

「ベッドの中でなら、何度でも言ってやるよ」

そう言ってシーツを被りながら、私にキスをした。


淳也のとろけるようなキスが好き。

私を抱きしめる、力強い腕が好き。

私のカラダに優しく触れる指先が好き…。

「菜々、好きだよ」

耳元でぽつりと淳也が囁いた。

両思いを確かめてからのエッチは、何だか甘くって、くすぐったくて。

翌朝、私たちが仲良く、午前の講義をサボったのは言うまでもない…。




おわり
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