好きって言って!(短編)
「気が抜けちゃった…」
「―――ついでに腰も抜けたって?」
淳也は私に合わせてしゃがみ込むと、片眉を下げて苦笑した。
こんなこと、前にもあったな。
和泉に無理矢理連れて行かれたサークルの飲み会のとき。
(和泉のせいで)誤解したとはいえ、駆け付けてくれた淳也。
あのとき私のために先輩を殴ってくれたのは、ただの心配だけじゃなかったんだね。
淳也は私の手から雑誌を取ると、思い出すように言った。
「俺の部屋でこの雑誌見つけたとき、お前がああやって挑発してきたもんだから、てっきり俺の気持ち分かっててからかってんだと思った」
―――教えてあげよっか、女の子のカラダ。
―――ドーテーじゃ、格好つかないもんね?
あのときのセリフを思い出しただけで顔から火が出そうになる。
だけど、それくらい。
なりふり構ってられないくらい、淳也を手放したくなかったんだ。
「からかい半分だったとしても、お前のこと抱けるなら、それでもいいやって思った。
順番はぐちゃぐちゃだけど、そのうち俺に夢中にさせてやればいいやって」
そこまで言ったと思うと、淳也は「なのに」と、大きなため息をついた。
「お前をイかせられたらちゃんと告白しようって思ってんのに、お前、全然イかねーんだもん」
「だって…!
イったって言っちゃったら、淳也との関係が終わっちゃうと思ってたんだもん」
私を気持ち良くさせられるようになるまで。
それが約束だったから。
「何それ、初耳!
お前、気持ち良くなってたの?」
私はコクンと頷く。
何度も何度も、悔しいくらい気持ち良くさせられてた。
「―――ついでに腰も抜けたって?」
淳也は私に合わせてしゃがみ込むと、片眉を下げて苦笑した。
こんなこと、前にもあったな。
和泉に無理矢理連れて行かれたサークルの飲み会のとき。
(和泉のせいで)誤解したとはいえ、駆け付けてくれた淳也。
あのとき私のために先輩を殴ってくれたのは、ただの心配だけじゃなかったんだね。
淳也は私の手から雑誌を取ると、思い出すように言った。
「俺の部屋でこの雑誌見つけたとき、お前がああやって挑発してきたもんだから、てっきり俺の気持ち分かっててからかってんだと思った」
―――教えてあげよっか、女の子のカラダ。
―――ドーテーじゃ、格好つかないもんね?
あのときのセリフを思い出しただけで顔から火が出そうになる。
だけど、それくらい。
なりふり構ってられないくらい、淳也を手放したくなかったんだ。
「からかい半分だったとしても、お前のこと抱けるなら、それでもいいやって思った。
順番はぐちゃぐちゃだけど、そのうち俺に夢中にさせてやればいいやって」
そこまで言ったと思うと、淳也は「なのに」と、大きなため息をついた。
「お前をイかせられたらちゃんと告白しようって思ってんのに、お前、全然イかねーんだもん」
「だって…!
イったって言っちゃったら、淳也との関係が終わっちゃうと思ってたんだもん」
私を気持ち良くさせられるようになるまで。
それが約束だったから。
「何それ、初耳!
お前、気持ち良くなってたの?」
私はコクンと頷く。
何度も何度も、悔しいくらい気持ち良くさせられてた。