クールな泉くん
いつもと同じ放課後。
「ん。」
この一言だけど、これは泉くんのお迎えの合図。
無表情であたしの席の横に立っている。
スラっと高い背。
形のいい唇。
涼しげな目。
そしてなにより、彼が発している、
オーラというか・・・
色気というか・・・
とにかく泉くんは整った顔立ちをしている。
かっこいいというよりは正統派美男子タイプ。
そんな彼は片足に体重をかけながら立っている
だけでとても様になるのだ。
「あ、ちょっとまっててね、泉くん。
もうちょっとで支度終るから!」
「ん。」
あたしは急いで教科書をかばんに詰める。
「おまたせ!」
そう言うと、泉君はあたしをちっらっと見て
無言であたしの手をにぎり、すたすたと教室を出て行く。
あたしも遅れないように少し小走りでついて行きつつ、
つながれた右手を意識していた。