一途愛
「え?」

「初めて来た時さ 俺のシャンプー褒めてくれたじゃん。
俺ねあんとき 寸前まで辞めようと思ってたんだ。
あの店 店長は俺をかってくれてたけど 他の奴らに
いっつもいじめられてて シャンプー係ももうイヤになってたんだ。
姫をシャンプーしてた時 今日が最後だと思ったから
気合い入れてたんだけどさ そしたらすごく褒めてくれたじゃん。

『こんな気持ちのいいシャンプーがあるんだって
初めて知りました。
気持ちよかった~~~。』

俺 あの言葉をお客さんから 直接言われたの
初めてだったんだ。
店を出る時にまた 俺に頭さげてくれたじゃん。
嬉しかった。
あの時の姫の 笑顔が忘れらなかった。
だから今も 美容師続けてる・・・・・。」


別に大したことをしたとは思っていなかったけど

「あの時 あんまり気持ちよくて……
そう言いたい気分だったの。」

「心が病んでたからスゲー嬉しかった。
進学と美容師と悩んで悩んで この道に来たんだ。
だから辛いことにも耐えてきたけど あんときは
本当に毎日が地獄だったから……でも姫の言葉と笑顔で
また初心に帰れた…。今は もうやるしかないって思ったら
伊織店長が ここの店を紹介してくれて
頑張ってるとこなんだ。」

「なんだかそんな風に言ってもらうのも
悪い気がするけど でも誰かのためになれたんだったら
よかった。頑張ってね。」

「うん 姫にまた会えるなんて思ってなかったから
スゲー嬉しい。こうやって髪の毛切らせてもらって
恩人の手助けができるなんて。」

「恩人だなんて・・・・達人に言われると・・・。」

「あはは 姫は恩人
俺は 達人? なんかいいね~~~。」

綾人と話しているとすごく楽しい。
リラックスして何でも話せちゃう気がした。
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