一途愛
勇気
迷惑をかけたということで 微妙な空気の中で
信頼を取り戻すために必死で働いていた。

「大関さん。」師長が声をかけてくれた。

「大丈夫?頑張りすぎてない?」

「師長がお休みくださったおかげでなんとか
切り替えられました。わがままなこと言って…
すみませんでした。」

「私もね今までないわよ。ペットが死んで休暇もらったこと。
でもあなたの仕事がとても評価されていたし
大切にしたい人材だったから…内緒よ。体調が悪いことに
なっていたんだから。」

「ありがとうございます。
信頼取り戻すように頑張らなくちゃって。」

「無理はしないでね。無理すると私みたいに
おかしなあだ名つけられちゃうわよ。」

師長は去年 医師だったご主人を亡くしていた。
その時も気丈に仕事をこなす師長に
鉄の女なんて陰口もたたかれていたけど
とても優しい人なんだって思った。

心の中なんて誰にもわからないのに……
どんなに明るく振る舞っていても傷を隠して暮らしている。

私も辛い現実を隠すために
元気に振る舞った。


「大関さん~~。」

患者から声をかけられる。


「おはようございます~~。よく眠られましたか?」

龍やルナタのことを忘れられるくらい
一生懸命働いている。
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